2013年11月11日

稿本天理教教祖伝逸話篇二〇〇 大切にするのやで

稿本天理教教祖伝逸話篇二〇〇 大切にするのやで

明治二十年一月十一日、紺谷久平は、信者一同が真心をこめて調製した、赤い衣服一枚と、赤の大きな座布団二枚を、同行の者と共に背負うて、家を出発し、おぢばに帰らせて頂き村田幸右衞門宅で宿泊の上、山本利三郎の付添いで、同一月十三日、教祖(おやさま)にお目通りした。教祖(おやさま)は、御休息所の上段の間で寝んで居られ、長女おまさが、お側に居た。
山本利三郎が、衣服を出して、「これは、播州飾磨の紺谷久平という講元が、教祖(おやさま)にお召し頂きたいと申して、持って帰りました。」と申し上げると、教祖(おやさま)は御承知下され、そこで、その赤い衣服を上段の間にお納め下された。つづいて、座布団二枚を出して、山本が、「これも日々敷いて頂きたい、と申して、持って参りました。」と申し上げる と、教祖(おやさま)は、それも、お喜び下されて、双方とも御機嫌宜ろしくお納め頂いた。
それから仕切りの襖を閉めて、一寸の間、そちらへ寄っておれ、とのことで、山本は下の八畳の間に下りる。紺谷も、共に畏まっていると、おまさが襖を開けて山本を呼んだので、山本が教祖(おやさま)のお側へ寄らせて頂くと、赤衣を一着お出しになって、
「これをやっておくれ。」
と、仰せられ、つづいて、
「これは、粗末にするのやないで。大切にするのやで。大事にするのやで。」
と、仰せになった。山本は、「きっと、その事を申し聞かします。」とお答えして、八畳の間に下り、紺谷に、教祖(おやさま)から、そう申された、と詳しく話して聞かせた。こうして、紺谷久平は、赤衣を頂戴したのである。


<今現在できる、自分なりの「さとり」>
いよいよ逸話編最後の御逸話です。
飾東大教会の初代会長紺谷久平先生が赤衣を拝戴された際の御逸話です。

これまでに拝読してきた御逸話を振り返って考えてみると、「稿本天理教教祖伝逸話篇七 真心の御供」というかなり初めの方の御逸話から、教祖(おやさま)の御態度が全く変わっていらっしゃらないことがよく分かります。
あえて違う点を探してみると、「真心の御供」では、餡餅を御供えされた信者さんへの教祖(おやさま)からのお返しが記録されていないのに対して、この御逸話では、赤衣を下げられていることが挙げられます。
これは「真心の御供」の当時、教祖(おやさま)はまだ赤衣をお召しになっていなかったことに加え、中山家の経済状況が貧の底であった為、返せる物品が無かったからではないでしょうか。
一方、御供えされる信者さんの気持ちは、御供えされた人物も物も違いますが、「真心」という点では同じです。
しかし「真心の御供」の当時は、まだ真実を尽くす喜びを見出せている方は少なかったと思われますが、この紺谷久平先生の御逸話の頃になると、相当数の先生方が真実を尽くされていたと思われます。

この二つの御逸話には、文久二年頃(西暦・1862年頃)から明治二十年(西暦・1887年)と、およそ二十五年もの開きがあります。
生まれたばかりの子どもが、大人になり、当時であれば親として子育ても少し落ち着く程の年齢になるような年月が、これらの御逸話の間にあるのです。
いかに月日が流れようとも、取り巻く状況がどれほど変わろうとも、その御態度に何らの変化も見られない教祖(おやさま)のひながたの強さが見出せるように思います。
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posted by 朱夏 at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 稿本天理教教祖伝逸話篇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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