2012年10月20日

稿本天理教教祖伝逸話篇一二七 東京々々、長崎



稿本天理教教祖伝逸話篇一二七 東京々々、長崎

明治十六年秋、上原佐助は、おぢばへ帰って、教祖(おやさま)にお目通りさせて頂いた。この時はからずも、教祖(おやさま)から、
 「東京々々、長崎。」
というお言葉を頂き、赤衣を頂戴した。
この感激から、深く決意するところがあって、後日、佐助は家をたたんで、単身、赤衣を奉戴して、東京布教に出発したのである。
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<今現在できる、自分なりの「さとり」>
稿本天理教教祖伝逸話篇八一 さあお上がり」で登場された、東大教会初代会長・上原佐助先生が東京布教を決心されたお言葉です。
笠岡大教会初代会長・上原さと先生は、上原佐助先生の元々の奥様です。

東大教会史と笠岡大教会史の記述に相違点があり、正確なところははっきりしませんが、双方に共通する点を総合して、当時の状況を簡単に書いておきます。
上原佐助先生は備中国小田郡笠岡村(現・岡山県笠岡市)出身ですが、大阪で「江戸積みは備佐が一番」とも言われる程栄えた畳表業を営まれていました。
しかし明治15年頃からそんな豪商が傾いてきました。またご結婚当初も含めて、このお逸話の頃には、さと先生のご実家との折り合いも、相当悪くなっていたようです。

そのような悩みの中で頂かれたのが、
「東京々々、長崎。」
という教祖(おやさま)のお言葉と赤衣でした。

きっと「自分のような者に、勿体ない限りだ」という慎み深い感激が、心の中に溢れたことと思います。
東京に頼れる知人もあったことから、東京布教を決意されるに至ったようです。
実際に東京へ出られるのは明治18年ですが、この上原佐助先生の東京布教によって、東京以東の布教が始まり、天理教教会本部をまず東京で認可を受けるという大事業も達成できました。

一方、「長崎」というお言葉に疑問が生まれます。

上原佐助先生の東京布教は、まず吉原方面に広まっていき、ここに「吉原講社」ができました。
明治20年、教祖(おやさま)が現身を隠された後も、「おつとめおたすけつくしはこび」の決心を胸に、布教を続けられます。
そんな布教一筋の中、明治21年に、吉原講社の信者「長崎屋」の寮で働いていた富永つた(通称つね)とご結婚されました。
つた先生は、宇都宮から上京して「長崎屋」につとめていらっしゃり、ここの信心から信仰を始められましたが、質実本位の人で、信仰と生活を遊離させず、日々これ信心という生活の人だったと言います。

実に、「長崎」というお言葉の意味は、教祖(おやさま)が現身を隠されて後に見えてきたのです。

内容をかなり要約しましたが、この短いお逸話から、東大教会初代会長・上原佐助先生の布教の道すがらの最重要部分がほぼすべて見えてきます。

おさしづに、

一言説いたら、百巻の書物に出来る。
(明治三十三年九月九日(陰暦八月十六日)夜九時頃 刻限(本席の御身上前日より大変御障りの処へ刻限の御話あり、本部員一同拝聴す)

と仰せ下さいます。
まさに、このお逸話から見えてきたように、教祖(おやさま)のお言葉、本席・飯降伊蔵先生のおさしづは、たった一言で、一人の人間の人生の大部分を表されるように思われます。

それだけの親心から語られるお言葉であることを悟り、「おふでさき」「おさしづ」「みかぐらうた」の三原典や教祖伝、逸話篇などに親しみたいと思います。


上原佐助【うえはら さすけ】(幼名・政太郎、のち儀七)
嘉永3年(1850)4月4日生まれ(備中国小田郡笠岡村‐現・岡山県笠岡市)
明治45年(1912)3月11日出直し:63才
家業を捨て伯父上原佐吉を頼り大阪へ行き、生家笠原家より上原家の養子となり佐助を名乗る
明治7年川合とよ(のちにさとと改名‐笠岡大教会設立・初代会長)と結婚
明治13年(1880)にをいをかけられ、翌年初参拝。
明治18年店をたたみ、家族と別れ(さとらは笠岡へ)東京布教に出る
教祖より赤衣(明治16年)、本席より「清水のさづけ」(明治24年)
東分教会(現大教会)初代会長

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posted by 朱夏 at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 稿本天理教教祖伝逸話篇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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